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1997年7月22日
今回は、前回に引き続き、Unix の話ですが、FreeBSD ではなく、Linux をインストールした感想を話していきたいと思います。
Linux をインストールするには、メジャーなパッケージを買ってきてインストールをするのが普通です。有名なものに、Slackware と、RedHat があります。たぶん、Slackware のほうが主流だと思いますが、最近は RedHat も広がりつつあります。どっちが良いのかとか、特徴の違いとかは分かりませんが、とりあえず手に入ったのが、Slackware 3.2 だったので、そっちを買ってきてインストールしました。Slackware 3.2 に入っている Kernel のバージョンは、2.0.29 です。JLUG にある 2.0.x 系列の最新が 2.0.30 なので、一つ古いだけですね。
今回、Linux をインストールするにあたり、Unix 関係のソフトウェアは、ぷらっとふぉーむで購入しました。ぷらっとふぉーむの 4F では、Unix 関係のソフトウェアの品揃えが豊富で、PC-UNIX をやる人間には、重宝します。PC-UNIX に興味があって、東京近郊の方は、一度行ってみるといいでしょう。
インストールした環境は、自作 DOS/V 機です。当初考えられていた、唯一の問題は、どのようにして3つのOS(Windows95,WindowsNT,Linux)をマルチブートさせるかと言うことでした。とりあえず、WindowsNT の OS ローダーが、Linux を認識できるか分からなかったので、lilo を使うことは考えていました。Linux をインストールするのは初めてだったのですが、FreeBSD のインストールは慣れていたので、そんなに、トラブらないと思って始めたのですが、やはり次々と問題が。(笑)
まず、インストールする段階になって、ハードディスクが認識されないことに気が付きました。どの、ブートイメージを使っても、見えない・・・。SCSI ボードがまずかったか・・・、と思い、ボード会社(Tekram)のホームページに行ってみても、Unix にインストールする際の記述はない。あきらめかけたところ、Tekram の ftp ディレクトリftp://ftp.tekram.com/SCSI/LINUX/SLACKWARE/に、それらしきもの発見。間違いない。そこで、ブートイメージ(ベースは Slackware 3.1)と、カーネルパッチをダウンロードして、ブートフロッピーを作りました。そうそう、Linux の場合、Boot フロッピーの他に、Root フロッピーが必要です。Boot フロッピーにはカーネルが入っていて、Root フロッピーには、Linux のシステムが入っています。これ知らなくて、起動時に出る、「Root フロッピーを入れて下さい」のメッセージの意味が分からなかった(笑)。
インストール後に、lilo の設定をする場面で、またもやトラブル。というのは、lilo を MBR(マスターブートレコード)にインストールすると、lilo が起動されないのです。で、いろいろ調べた結果、lilo が sda(SCSI 機器の1台目)ではなく、hda(プライマリ IDE のマスタ)に書き込まれていたのです(実際は CD-ROM なので、書き込めていない)。私のように、SCSI 機器しか付いていない場合は、sda に書き込まなければならないのですが、どう設定しても hda に書き込もうとしてしまいます。仕方が無く、フロッピー(fd0)に lilo をインストールして、1度そこから起動して、/etc/lilo.conf を手作業で修正してから、lilo を MBR にインストールし直しました。
3つのOSをマルチブートする方法ですが、今は、
boot ---- lilo - OS Loader ---- Windows95 | | | +--------- WindowsNT | +------------------- Linux
という段階を踏んで起動しています。OS Loader(NT に付いているやつ)は、やはり Linux を見つけてはくれませんでした(別に期待もしてなかったけど(笑))が、どうやらこいつは、MBR を書き換えるタイプではなく、MBR から呼ばれる先のプログラム(たぶん、IO.SYS)を書き換えて、マルチブートを実現しているので、こういった形のブート方法になりました。本当は、lilo で、直接 WindowsNT を呼び出せればいいのですが、どっちにせよ、WindowsNT の起動時に、ノーマルか、VGA 起動か聞いてくるので、まあ、現状で満足しています。ちなみに、ハードディスクのパーテションは、以下のようになってます。
DOS ドライブ名 | Unix デバイス名 | OS | サイズ |
---|---|---|---|
C: | sda1 | Windows95(VFAT) | 2048M |
D: | sdb1 | WindowsNT(NTFS) | 1024M |
sdb2 | Linux Swap | 128M | |
sdb3 | Linux / | 200M | |
sdb4 | (Extend) | ||
sdb5 | Linux /usr | 650M | |
sdb6 | Linux /var | 45M |
さて、次回も Linux のインストールの続きです。苦労した X-Window の立ち上げの話でもしたいと思います。